(有)梓工務店 石場建て伝統構法土壁の家

 

梓の家づくり

 

写真で見る、梓工務店の家づくり

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古民家再生、伝統構法の継承に向けて

古民家再生、伝統構法の継承に向けて
 
呼吸をする家を建てよう
 「いい家が建てたい」この思いは、お施主さん、心ある施工者~(設計者・職方軍団も含め)~なら思いは同じです。この思いを共有してこそ、初めて『いい家』が出来るのではないでしょうか?ただ問題なことに「いい家」基準が10人10色で、各々の人生観、価値観が多様であるように、「いい家」の概念も多様にあるということです。
 
 すくなくとも、大筋のコンセプトが住み手側と造り手側が同じでなければ何も始まりません。私共の家造り、というより私が本当に『いい家』だと思っているのは、~200年、300年と受けつがれる家~しかも、その家の家族が健康であること、それは「家」そのものが老は取っても健康で生いきする家「病気がちで長生きしてもしょうがない。」こんな言葉をよく耳にします。正に、家においてもそのことが言えると思います。

 四季があり、温帯モンスーン地域(夏のむし暑さが異常)に属している日本の気候条件の中で、これと解決する方法は、風を感じて生きること、人も風を感じ、家そのものも風を感じられる(真壁造りにする・床下を解放する)ものでなければ、けして健康を保持できるものではありません。 そのためには、家はムクの木と土と紙と石で造ること、コンクリートに頼るのはベースのみにすること、いわゆる石端建足固メ工法を取ること、150年以前の江戸時代まで工法に戻すこと、まさに真の意味での伝統工法を復旧させることのみこの命題を解決しうると考えます。

 
 ただ懐古趣味で、伝統工法を推奨しているのではありません。現在の技術力、機械力をもってすればもっとすごいことが出来ることも可能です。たとえばクレーンが使えることによる組み方の進歩があげられます。過去においては映画などで見たことがあるかもしれませんが、一本一本の材料を沢山の人数で滑車などを使って組み立てていた訳です。それが現代では、東西南北の面の柱や胴梁などを地上で先に組んでおいて、下組みした各面の架構をクレーンで吊り上げ、架構同士の仕口を直角に組むことができるようになりました。こんな手順は重機の無かった時代には絶対にできなかったことです。このクレーン技術のお陰でホゾを長くしたり複雑な組加工をしても高い精度で組み上げることができるので真に強い強度を確保できるのです。
 
建築基準法の壁
 ただ、伝統工法で家を建てることを遂行するに当り、一番の問題点は、現行の建築基準法でした。皆さんもよく御存知の通り、家は壁で持っているという基準法の決まりです。これは壁量計算という、まったく、構造計算でもなんでもない「木造2階建てまでの建物には構造計算は不要です。」という法条文のもとに「構造計算をしなくてもよい、しかしまあ、それだけじゃなんだからちっと壁面の数でも決定しておこうか」というような主旨の元で壁量計算という新たな項目を造り、確認申請を提出する際、この計算義務化しました。
 
 この計算は非常に簡単なもので、一般の人でも誰でも出来るような代物であったことから、設計士の資格を有する人たちにとっては、いとも簡単に自分の手で計算でき、又チェックする側もいとも簡単に出来るわけで、木造においては構造計算不要な為、設計士達がどんどん確認申請業務を日常ごとくこなし、いわゆる飯の種になり得たわけです。
 

 鉄骨や、RC造りになれば常に構造計算が必要で、この分野においては同じ建築士でも専門屋さんがいます。ここで構造設計をして構造計算され、プランが構造設計のために変更になることすらしばしば起きていたわけです。デザイナーと構造屋さんとが分離作業で建物の精度、強度を守って来た長い歴史があります。しかし、木造においてはこの歴史がありません。なぜなら、木造は構造計算しにくい事と、構造計算そのものがそもそも難しい、設計士の中でも100人に1人いるかいないかの割合でしか構造屋さんが育ちません。殆どの設計士はデザイナーさんになってしまう、国の制度として、このデザイナーさんに大きな表彰を与え、構造屋さんは、難しいにもかかわらずいつも黒子の存在としてしか存在しえないのが現状です。

 

 姉歯建築士の偽装問題の根源をなすものは、偽装を見破るのに見破る人達があまりにも少なすぎるということと、黒子の存在としてしか構造屋さんが存在しえなかったことなのです。これは鉄筋、鉄骨の世界の話ですが、木造の場合、その黒子すら存在しえないのですから推して知るべしといえます。

 

 木造は構造的には何ら考察がなされていないということが言えます。その変わりにそのこと正統化するために壁量計算において仕様規定なるもの設け、やれコンクリート立ち上がり基礎が必要とか、土台と立ち上がり基礎をアンカーボルトでしばれとかスジカイを入れ、耐力壁では柱とかパネルとか金物で土台固定せよとか、がんじがらめするしか、構造計算不在という立場と正統化出来なかったというのが本当の所ではないでしょうか。

 
 
真に風土にあった住まいを

 今一度大きな目を見開いてください。木造二階建ての小さな家であっても構造計算を正々堂々とすればよいではないですか。幸い、平成12年法改正により仕様規定に性能規定が加味されたことから、実験体の性能が数値と組み入れ可能なことになり、ここに法的にも伝統工法が再度、日の目を見るようになりました。今まで、私達がいかに強い強いと言っていても役所が認めてくれなかった。中間検査に来て、ものすごい材せきで建ててある建物に対して金物がないと言って、検査をおろしてくれない。どれだけ苦々しい想いで、中間検査を受けて来たことでしょうか。

 

 最初は、施主さんにお願いしてこの建物で地震により倒壊圧死しても本望であると一筆かいてくれと言ってお願いしたりもしました。実際、自分では絶対に大丈夫であると確信していても証明の方法を持ち得なかった悲しさゆえに、腹わたのにえかえる想いを何度味わってきたことでしょう。

 

 今ここに、正面からこのことを突破しうる構造計算を手にしました。コンピーターソフトの発達、進歩により高層ビルがゆれてもつ、建物の形状そのもので、ゆれも違う固有周期このことを、数式化しうる構造計算【限界耐力構造計算】という、新たな武器を手にしました。これで伝統構法の地震対応能力を数値化でき安全性も確認出来ます。これは、前述の実験数値も組み入れ可能です。

 

 たとえ小さな家であっても構造計算しましょう。今まで、構造計算をしなかったから、いろいろな制約に縛られて来たものです。そして、コンクリートの立ち上がり基礎を取り除きましょう。縁の下大いに風を入れ入れましょう。そして真の日本の住まいをこの手で取り戻しましょう。

 

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